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チェンマイより発信

3511.チェンマイ銀砂館の日々■<死の女神> 2021/01/10

 死に関するものを読んでいて、次のような記述にぶつかった。(少し長くなる象・・・)
❶バグダッドのある商人が、召使を市場へ買い物にやったところ、真っ青になって震えながら戻って来て言った。「たった今、市場の人混みで一人の女とぶつかったら、それは死神でした。死神が私を見て、脅すようにするのです。どうか私に馬を貸してください。この街を離れてサマラに行けば、死神に見つからずにすむでしょうから」。そこで、商人は馬を貸してやり、召使は馬に乗って全速力で駆け去った。それから商人が市場に行くと、死神がいたので近づいて尋ねた。「今朝、私の召使に会ったとき、どうして脅すような身ぶりをしたのか?」「脅かしたのではありません、びっくりしたんです。今夜サマラで会うはずの人に、バグダッドで会ったものですから・・・」。(S.モーム“サマラでの約束”)
 ◆死から逃れようとする人間の愚かさと、皮肉な結末を描いている。これを読んで、たちまちワルキューレを思い出した。Wikiは次のように書く。
❷古ノルド語: valkyrja(戦死者を選ぶもの)は、北欧神話において、戦場で生きる者と死ぬ者を定める女性、及びその軍団。戦場で死んだ者の半分をオージンの治める死者の館ヴァルホルに連れて行く役割を担う~。
今まで死神は“煮ても焼いても食えぬ風貌”のワル・ジジイだと思っていたが、認識不足だったのかも知れんな、ウン・・・。

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