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チェンマイより発信

3448.チェンマイ銀砂館の日々■<秋の歌> 2020/10/26

❶月見れば千々にものこそかなしけれ わが身ひとつの秋にはあらねど(大江千里)
❷ゆく秋の大和の国の薬師寺の 塔の上なる一ひらの雲(佐々木信綱)
❸枯原はただやはらかく烟れども 一つ二つは犬蓼の紅(安永蕗子)
❹秋草のなかに坐ればわれも草 同じ高さに風に吹かれて(林静女)
❺冬ざれの広き刈田にしぐれ降り なのめ移りてゆく雨のすじ(星子 英)
❻秋分の日の電車にて床にさす光もともに運ばれてゆく(佐々佐太郎)
❼コスモスの花群咲きて来し風の われにも届く母にもとどく(小野美知子)
❽かたはらに秋ぐさの花かたるらく ほろびしものはなつかしきかな(若山牧水)
❾一心に遊ぶ子ども声すなり 赤きとまやの秋の夕ぐれ(北原白秋)
❿野も山も紅葉進まぬ神無月 寒波到来に農家は焦る(畏友のご母堂)

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